コラム
保育料・学童保育料 経費にならない?!
確定申告・税務調査個人
日本の税制は、サラリーマン専業主婦世帯を推進すべく構築されたと感じています。
私は、子供が11ヶ月の時に保育園に預け始めました。
家事・仕事・勉強・育児・・
「3足のわらじ、どころか、4足のわらじ」と評される日々を過ごしています。
税理士受験中でお金が無い時には、遠い親戚が野菜を送ってくれたり・・
子供と公園に行って、見守りながら勉強したり・・
夜鳴きの子を負んぶして、勉強をしたり・・
一人親の私たち家族は、多くの人に助けられています。
さて、
毎年、とても理不尽に感じることの一つ
「保育料・学童保育料」は個人事業の「経費に出来ない」
サラリーマンの方でいうと、特定支出控除の対象とならないということ。
子供を預けるということは、金額的なもの以上に、精神的な負担もあるわけです。
「11ヶ月から預けるなんて、子供がかわいそう。」
「もっと○○してあげなさい。」
こういった言葉を周りからも、身内からも、かけられる。
それに加えて、保育料の負担。
もはや、お金まで払って、人に預けて・・・と自分勝手だ、、
保育料が必要経費にならない理由は、
・育児の委託であり、事業に直接関係が無い
・所得により負担額が決まり、税金が充てられているものであり、更に税金を減らす経費とするのはオカシイ
・サラリーマン家庭とのバランス(特定支出控除にならない)
きっと皆さん、次のように感じていると思います。
・共働きや一人親の場合、保育園に行かないと仕事が出来ない=売上に直結する
(それとも、未就学児や小学生を一人家で、放っておく?)
・確かに所得により負担額は違うが、金額はハッキリしている
・その子が将来の税制(社会)を支えていくという発想はないのか
・サラリーマンは、給与所得控除という一定額の控除がある。
・企業が支出する保育関係の負担は、経費になる
”できない”
理由を考えるのは、とても簡単
”できる”
方法を考え、実行することは難しい
”保育料=事業経費”
これは、社会的にみて、当然だと感じます。
でも、出来ない。
だから、理不尽さを感じるのですね。
諸外国では、どうなっているのでしょうか?
米国でも、
イギリスでも、
フランスでも、
ドイツでも、
税額控除の制度があり、
給付付の場合もある。
日本は、まだ、所得控除にもなっていない。
(税額控除は、直接税金を減らし、所得控除は、支出額×税率分の税金を減らす効果)
この辺りが、
日本の少子化が進んでいく理由のひとつだと
思いませんか?
サラリーマンの特定支出控除に、ベビーシッター代を。
厚生労働省の要望が出ていましたが、平成28年度税制改正で見送られています。
そもそもベビーシッター代であって、保育料でない時点で違和感を覚えますが、、一歩踏み出せるかと期待したので、実現しないで残念です。
この前、興味深い分析を耳にしました。
「高齢者の意見は、政策に反映されやすい」
「子育て世代の意見は、政策に反映されにくい」
なぜか?
「高齢者は、ずっと高齢者」
「子育て世代は、いつかは、卒業する。だから継続性がない」
子育て世代に配慮した税制を実現するには、子育てを卒業した世代も、継続して、声をあげ続けること。
自分の世代には実現しなかったけど、次の世代には、同じ想いはさせたくない。
だって、ほら、自分の子供の世代には、改善しててほしいでしょ?
だから、いつまでも”自分事”で。
将来を支えてくれる人に、思いやりのある社会
高齢者にも、思いやりのある社会
実現したいですね!!
高所得者優遇だ!
専業主婦優遇だ!!
共働きにしかメリットが無い!!
確かに・・
立場が違えば感じ方もイロイロ。
でも、
小さな視点ではなくて、
日本の明るく楽しい将来像に向けて、
今、より、将来。
そんなことを感じながら、、
今年も確定申告時期を過ごしました。
税理士 音谷