コラム
タワーマンション節税 課税方法の考察
相続
タワーマンション節税について、以前にコラム(タワーマンションー課税強化ー)にしました。
被相続人が亡くなる直前に購入し、相続後すぐに売却したような事例では、
財産評価基本通達による評価※が否認され、財産評価基本通達総則6項により課税されています。
※財産評価基本通達による評価とは、次による評価方法です。
家屋は固定資産税評価額×1.0
土地は、路線価方式等
タワーマンションによる過度な節税が注目される中、相続税の本来の役割、公平を保つための方法が模索されています。
方法として主に話題となっている2つの方式をご紹介します。
1.固定資産税評価額の評価方法等の見直し
家屋の評価が、固定資産税評価額×1.0であることから、浮上した対応策。
ただし、実現には多くのハードルがあります。
・固定資産税は、継続的に負担するものであり、相続税のような単発的な負担のために見直すことが課税の公平につながるのか
・固定資産税は総務省、相続税は国税庁の管轄
・そもそも相続税法上簡便的に利用しているだけなのに、固定資産税評価額はを見直すのか
2.国税庁が財産評価基本通達のみを変更する
実際にしようと思うと、膨大な調査と考慮すべき事項が生じます。
東京の中心部と郊外、地方を、一律には出来ません。
いずれの方式でも、次のような疑問が生じます。
・階数と市場価格は、その時の社会情勢に左右され、上層階だから市場価格=高いという時代が続くのか?
・何階以上を対象に課税強化するのか?(ある一定階で区切ると、その前後の階数で不動産価格に著しい影響を与えないか?)
・階数以外の要素は、考えなくていいのか?
タワーマンションの一律的な課税強化は、早くて平成30年の固定資産税評価額の評価替えのタイミング
結局は、現行どおりのまま・・ということも考えられます。
個人的には、3年以内に購入した不動産は、時価評価(購入価格)×一定割合で良いのではないかと感じたり。
ただ、同様の方法(相続前3年以内取得価額特例 =取得価格評価)は、S63年に導入され、バブル崩壊に伴い、課税上の弊害が生じ、H8年に廃止されたという経緯も。
変動する価格に対して、不変の評価を定めようとすることに無理があるのかもしれません。
物質的なものではなく、
あなたのココロを大切に。
相続税対策は、想続も大切に。
ことのは税理士事務所
税理士 音谷