コラム
生計一親族
相続
中野駅前の高層ビルを抜けると、ポツンと黄色がかった古い建物・・中野税務署!!
これが税務署だよなぁと妙に嬉しくなりました。
昨日は無事に、相続税の申告書を提出し、ほっ。
私の地元の練馬東署は、耐震工事のため、仮庁舎に移転中です。
最寄駅から徒歩18分(詳しくはこちら)、だそうです。。
知名度が上がっている相続税の小規模宅地等の特例
意外と知らない論点もある医療費控除・扶養控除
適用の判断のポイントの一つが
生計を一にする親族か
扶養控除では、近所にお母さんが住んでいて年金暮らしという世間話から、
適用が判明することもありました。
生計を一緒にする親族のために支払った医療費は、医療費控除の対象です。
適法の可否は、所得税法基本通達2-47に基づき判断します。
法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。
(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。
扶養控除・医療費控除はまだ影響金額も大きくはありませんが、
小規模宅地等の特例を適用できるか否かは、納税に大きく影響を与えます。
納税者と課税庁が争った事例(音谷の要約)があります。
納税者「預金の引出、植木の面倒、郵便物の確認等、亡くなった方の居宅の管理をしていた。
入院費なども納税者の生活費と合算した生活費から支払っていた。」
課税庁「生計を一にしていたとは日常生活の資を共通にしていることと解され・・、
納税者は本件なくなった方との間で日常生活のために費用を負担しあう状況にはなかったと認められる。」
↓
判断
「生計とは、暮らしを立てるための手立てであって、通常、日常生活の経済的側面を指すものと解される。
したがって、亡くなった方と同居していた親族は・・・・一般に生計を一にしていたものと推認される。
別居していた親族が生計を一にしていたものとされるには・・・少なくとも居住費、食費、光熱費その他日常生活にかかる費用の全部又は主要な部分を共通にしていた関係にあったことを要すると解される。
本件の場合、納税者が主張する事実は、
生活の場を別にしている親子間の通常の助け合いであって、
必ずしも生計を一にしているかどうかの判断に直接結びつく行為とは認められない」
納税者は、”相続税法等に”生計を一にしていた”という用語の定義も準用規定もないのは法の不備だーー!
と訴えていますが、”主張には理由が無い(=イチャモンダ)”と一蹴されています^^;
(私は、ちょっと笑ってしまいました。)
お金の助け合いが無かったのに、
どうして生計一として小規模宅地等の特例を適用しちゃったの?
預金や植木・家の管理で適用できちゃったら、世の中の親族の結構な割合が”生計一”です・・
と私は思うのですが・・
適用出来る可能性があれば、とりあえず適用してみておく。
ダメなら修正申告、というスタンスだったのかもしれません。
加算税や延滞税の支払いリスクは発生します
私も何とか適用が出来ないものかと、何日も書籍や判例をひっくり返すことあります。
ちょっとでもリスクがあると適用を止めておこうというスタンスの方もあるようです。
何度か”えっ・・!”と思ったことがあります。。
そのバランスが難しいところですねぇ。
税理士
音谷麻子