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【相続税】事故物件は10%評価減できる?国税不服審判所が否認した事例

税務調査相続税

事故物件だからといって、土地の相続税評価額を一律に10%減額できるわけではありません。

賃貸住宅の室内で賃借人が死亡し、発見まで長期間を要した物件について、相続人が土地の相続税評価額の10%減額を求めたものの、国税不服審判所が認めなかった事例があります。

本記事では、賃貸住宅の室内で賃借人が死亡し、発見までに長期間を要した、いわゆる事故物件について、相続税評価額の10%減額が争われた事案に関する2025年12月1日付の裁決をご紹介します。

事故物件の土地は相続税評価を10%減額できる?

相続税の土地評価では、付近にある他の宅地と比較して利用価値が著しく低下していると認められる場合、その利用価値が低下している部分の面積に対応する価額について、10%を減額できる取扱いがあります。
参考:No.4617 国税庁「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」←ここをクリック
国税庁では、その対象の一つとして、次の宅地を挙げています。
『騒音、日照阻害、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの』
不動産取引の現場では、心理的瑕疵のある物件が、通常の物件より低い価格で取引されることが一般的かもしれません。

相続人が事故物件の10%評価減を求めた理由

賃貸住宅の室内で賃借人が死亡し、発見までに長期間を要したことから、相続人は、告知が必要となる物件に該当すると考えました。
そこで、2024年7月に更正の請求を行い、相続税評価額の減額を求めました。
【ポイント】
・更正の請求による減額を求めたもの
・特殊清掃は行われていない
・死亡事故が土地の取引価格に実際に影響したことを示す、具体的な説明や証拠が提出されていなかった

国税不服審判所が評価減を認めなかった理由

国税不服審判所は、10%評価減を認めませんでした。事故物件であることだけでは、土地の評価額を10%減額することはできない、という判断です。
今回、死亡事故が発生したのは賃貸住宅の室内です。室内で人が死亡したことにより、賃料や売却価格へ影響する可能性はあります。一方で、そのことが、建物の敷地である土地の取引金額にどの程度影響するのかは、別途検討する必要があります。
相続人は、賃借人の死亡により土地の利用価値が著しく低下したことについて、合理的な説明や客観的な証拠を十分に示していないと判断されました。

税理士音谷からのコメント

 事故物件であるという事実だけで、土地の相続税評価額を一律に10%減額することはできません。慎重な判断と客観的な資料が必要ですね。
 評価減を検討する際には、心理的な抵抗感があるというだけでなく、その事情によって土地の利用価値が低下し、取引金額に影響していることを、客観的な資料により具体的に示す必要があります。評価減を前提に理由を組み立てるのではなく、事実関係と資料を確認したうえで、適用要件に該当するかを慎重に判断することが重要です。

参考資料
 国税不服審判所の2025年12月1日付裁決に関する報道資料

 
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