コラム

【相続税申告】依頼後、申告の途中で別の税理士に相談したくなったケース

事例紹介相続税

相続税申告の税理士をお探しで、弊所にご相談いただいたものの、亡くなった方の地元の税理士にご依頼されたケースをご紹介します。

もともと多少のご縁がある方だったこともあり、何度かご相談に応じていました。

弊所へご依頼いただくものと思っていたため、私の方でも関連士業へ確認をするなど、個別の事情に踏み込んでアドバイスをしていました。

※守秘義務に配慮し、個人を特定できないよう、相談内容や事情の一部を抽象化しています。

金融機関から紹介された税理士への依頼

何度か電話で相談を受けた後、「別の税理士に依頼することにしました」とご連絡をいただきました。

相続財産には、ある事業に関係する財産もあり、金融機関から「その事業分野に詳しい税理士がいる」と紹介を受けたそうです。最終的には、その点を重視した税理士選びをされました。
そこで、いったんご相談は終了しました。

なお、この案件は、税務上の処理だけでなく、関係者との調整も含めて検討することで、納税者が希望する結果につながる可能性のある選択肢がありました。
ただし、その方法で進められるかどうかは関係者との調整状況などにも左右されるため、確実に実現できるものではありませんでした。
そのため、私がお伝えした方法については、他の税理士が同じように対応できるかどうかは分からない旨もお伝えしていました。

申告期限が迫るなか、再びご連絡がありました

他の税理士へご依頼されたとご連絡を頂いた約8か月後、改めてご連絡がありました。

すでに相続税申告を依頼している税理士はいらっしゃいましたが、申告期限が迫るなか、当初考えていた方法で進めることが難しくなってきたとのことでした。

現在依頼している税理士が提示している方法とは別の選択肢がないか、改めて相談したいとのお話でした。
「必要であれば相談料を支払います」とのお申し出もありましたが、私はご相談をお受けしませんでした。

相続税申告におけるセカンドオピニオンについて

相続税申告を受任した税理士は、その申告について責任を負います。
すでに別の税理士が相続税申告を受任し、申告に向けて業務を進めている途中で、私が一部分だけ事情をお聞きし、現在の担当税理士とは異なる方法をご提案することはしていません。

相続税申告では、一つの論点だけを切り離して判断できるとは限りません。財産の内容や遺産分割、これまでの経緯などを確認し、申告全体との整合性を考えながら判断する必要があります。
そのため、この件は、現在依頼している税理士と直接お話しすることをおすすめしました。

相続人からは、申告期限が迫るなか、当初考えていた方法で進められるのか分からず、途方に暮れて連絡したとのお返事がありました。

ここで出てきた「当初考えていた方法」が、具体的に何を指していたのかについて、私は伺っていません。

ただ、それが現在依頼している税理士との相談のもとで進めていた方法であるなら、その経緯を把握している現在の税理士と引き続き相談して進めることが適切だと考えました。

また、もしそれが、最初にご相談いただいた時点で私が検討していた選択肢を指していたとしても、当初とは状況も前提も変わっているため、その時点で同じ対応をすることはできません。
すでに約8か月が経過し、申告期限まで2か月を切っていましたので、申告に向けた検討の大部分はすでに進んでいるものと考えました。

「何に詳しいか」だけでなく、相談できるか

税理士を探す際には、「○○に詳しい」「○○専門」といった専門性を、税理士選びの参考にされる方も多いと思います。

一方で、相続税申告は、依頼した時点の想定で、そのまま申告まで進むとは限りません。申告までの途中で、当初想定していなかった検討事項が判明し、改めて判断が必要になることもあります。

今回の案件では、再度ご連絡をいただいた際、まずは現在依頼している税理士へ相談することをおすすめしました。その後、相続人から、現在の税理士に相談したところ、確定申告で忙しいため、相談したい内容をメールにまとめるよう言われたとのお話がありました。

相続税の申告期限は、相続開始から10か月です。その間に確定申告時期が重なることもあります。税理士にとっては繁忙期ですが、相続税の申告期限はそれとは関係なく到来します。

相続税申告の税理士を選ぶ際には、申告までの途中で新たな事実や不安が生じたときに、実際に担当する税理士へ確認や相談ができるかという点も、大切だと思います。

税理士を変更する選択

現在の税理士との委任契約を終了し、相続税申告そのものを別の税理士へ変更したい、というご相談は、このケースとは別です。

当事務所でも、相続税申告の途中から税理士を変更したいというご相談については、申告期限や現在の進捗状況、これまでに作成された資料などを確認したうえで、対応可能かどうかを判断しています。

依頼中の税理士とのコミュニケーションや説明に不安があり、税理士の変更をご検討されるのであれば、お早めに動かれるといいですね。
次の税理士を決めてから、現在の税理士との契約終了や資料の回収について相談されてもよいかと思います。

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本コラム内の記事は全て投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令等に基づき記載しています。
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本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談し、十分に内容を検討したうえで実行してください。
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